看護師が行う環境整備の中でも、患者の主な生活の場所となるベッド周りの整備は特に重要です。
気をつけなければならない点は、「マットレスの厚さ」「ベッドの高さ」「ナースコースの位置」の3つです。
マットレスが厚すぎてベッドの柵とあまり差がない状態だと、寝返りを打った際に転落するリスクが高まります。
だからと言って厚みを薄くしすぎると、ベッドから立ち上がる時に足腰への負担が大きくなってしまうため、マットレスの厚みと柵の高さをバランスよく調節することが必要です。
また、ベッドの高さが合っていないと、患者が立ち上がる際に体に負担がかかるだけでなく、転倒などの事故の危険性が高まります。
そのような事態を防ぐためにも患者がベッドに腰かけた際に、かかとが床について浮かない高さに調整しましょう。
そしてナースコールの位置は、急変時にもすぐ押すことができるように、手元に置いておく必要があります。
横になっている患者がすぐに手の届く位置にナースコールを起き、その上でその位置を患者に知らせることが大切です。
この3つの他に、ベッド周りの備品を適切な位置に配置し、ちゃんと機能するか確認することも重要です。
ベッド周りには、高さを調整するリモコンやオーバーテーブル、床頭台やイスなどのさまざまな備品があり、余計なものが置かれていたり、患者の動線の邪魔になっていないかを確認します。
そして、ベッドや床頭台などストッパーがついているものはしっかりと固定しておくと良いでしょう。
患者が備品を支えにして歩こうと手をついた途端に動いて転倒するというようなことを未然に防ぐことができます。