環境整備にとって大切なことは、病室という特別な空間の中で過ごす患者に「安心」「安楽」「安全」な入院生活を提供することにあります。
自分の病気や怪我などについて不安を抱える患者が少しでも安らげるように、転倒や転落などの事故や感染などの危険から守り、快適に入院生活を過ごせるように行うものなのです。
このように、環境整備は看護師にとっての基本的なスキルだと言えますが、患者は年齢や性別、育ってきた環境もそれぞれ異なります。
そのため、全員が快適な入院生活を過ごせるようにするということは、決して簡単なことではありません。
個々に合わせた環境整備を行うには、ただマニュアルに沿った環境整備を行うだけではなく、コミュニケーションを取りながら患者の希望を感じ取ったり聞き取ったりすることがとても大切です。
それに合わせて整備を行うことで、より患者1人1人に合わせた環境を提供することができます。
また、環境整備を行う際には、さまざまなチェックポイントがあります。
湿度や温度、音や臭いについてチェックする「環境調節」、汚れやごみの量、排せつ物の処理についてチェックする「清潔管理」、ベッドや柵の高さなどについてチェックする「事故防止」。
さらにベッドサイドの備品の配置や不用品の処分についてチェックする「整理整頓」、医療機器の動作チェックなどの「医療機器・物品管理」、カーテンの開け閉めや同室の患者との関係をチェックする「プライバシー管理」の6項目に大別されます。
これらの多くのチェックポイントを観察し整備を行うことで、患者に合わせた環境を整えることができるのです。